シャープの関数電卓EL-509Jを買ってみた

普段使っているカシオの古い関数電卓(fx-580)が電源スイッチの接触不良なのか、最近になって計算中に液晶表示が薄くなったり、電源が切れてしまったりするトラブルが頻発するようになって買い換えてみました。

なお、ここでの評価は電子回路設計や組込みソフトウェア開発での使用を前提としています。科学技術計算や学習用途では違った評価となる場合もあるかも知れません。

シャープの関数電卓EL-509J

仕事ではカシオfx-913ESという関数電卓を使っているので同じ物にしようかと思ったのですが、ちょっと使いにくいところがあったので、別のメーカーから選択してみました。
店で色々物色してみましたが、カシオとシャープの二強以外はキャノンがちょっとある程度。で、結局シャープのEL-509Jという品番の電卓にしました。

ちなみに複雑な計算は表計算ソフトや科学技術計算用のソフトを使うので、関数電卓は比較的低機能なのものを購入しました。ずらりと並んだ関数電卓を見てふと思ったのですが、パソコンがこれだけ手軽に使用出来るなった現在でも、関数電卓でプログラムや統計計算、微積分をする人がいるのでしょうか・・・。

シャープ関数電卓EL-509J(1)

シャープ関数電卓EL-509J(1)

シャープ関数電卓EL-509J(3)

シャープ関数電卓EL-509J(3)

シャープ関数電卓EL-509J(2)

シャープ関数電卓EL-509J(2)

シャープ関数電卓EL-509J(4)

シャープ関数電卓EL-509J(4)

EL-509J、ここが使いやすい

まだあまり使い込んでしませんが、シャープのEL-509Jをちょって使っみて良さそうな点です。

  • 金融向け電卓みたいに3桁毎にアポストロフィみたいな記号で区切ってくれる。
  • モード変更せずに2進数や16進数に変換できる。
  • キーマクロ的な機能がある。
  • 太陽電池併用で電池が長持ちする。

3桁区切りは見やすくて良いでね。5、6桁ぐらいなると見間違えやすいのでありがたいです。

マイコン周りの設計やソフト開発ではよく10進数と16進数を行き来します。そのため、通常の計算モードのまま計算結果を16進数に変換できるのは便利です。
ちなみにカシオの関数電卓の場合は計算結果を16進数に変換するためにはモード切替が必要であるため現在の値が消えてしまいます。そのため、一度メモリにストア、モード切替、データ呼び出しという面倒な事をする必要があるのです。まれにデータを保存し忘れてモード切り替えしてしまい、計算をやり直す事もありました。
シャープの場合は計算結果が出たら、2ndF+→HEXキーで現在値が16進数に変換されて表示されます。これはぜひともカシオさんに見習って欲しいところです。

キーマクロ的な機能とは液晶の下側あるD1〜D4キーに任意のキー操作を登録できます。つまり、2ndF+XXXキーという操作が一つのキーに置き換わるだけなのですが、頻繁に使う機能であればそれなれに便利そうです。

太陽電池はかなりメリットがあるかも知れません。内蔵のリチウム電池とハイブリットになっており、周囲が明るければ電池の消耗を防いでくれます。ただ、電卓の電池交換なんて数年に一回程度なのでむしろこの面積を削って小型化してくたれた方が良かったかも。

使いやすさに関係ありませんが、本体カラーを選べるのはグッドです。今回はグリーンを選びましたが他にオレンジとブラックがありました。

EL-509J、ここがガッカリ

次にガッカリポイントです。

  • キーボード面およびボタンがテカテカ。
  • 指数部の変更ができない(位取りの変更)。

買うときはパッケージ越しに見ていたので気が付かなかったのですが、キーボード面とボタンが黒い光沢塗装になっています。かなり反射率が高く、机に蛍光灯スタンドを置いているとテカテカ光って見辛いです。さらに指紋がベタベタ付くので潔癖症の人で無くても気になります。ここの写真もフラッシュの光が反射してしまうので、かなり苦労して撮影しています。
デザイン重視でテカテカにしたものと思いますが、ここは実用性重視でつや消しにして欲しかったですね。というか、こんな単純な事を社内のレビュー等で誰も指摘しなかったのでしょうか?

指数部の変更というのは例えば他の数値と比較しやすいように「0.102*10^-3」を「102*10^-6」のように変換したい場合の事です(電卓の表示は「0.102E-3」、「102E-6」になります)。カシオの場合はENGキーで一発変換できますが、EL-509Jではそのような機能は無いようです。

また、特に設定しなければ有効数字を優先して表示するため指数部が中途半端な値となります。工学的な用途では使いにくいため、セットアップメニューで工学的指数方式(ENG)に設定すれば指数表示は3刻みとなり見やすくなります。ただし、これに設定すると常時指数表示となるため、計算結果が100の場合は「100E00」と表示されるのでこれもちょっと煩わしいです。

ガッカリというほどではありませんが、デフォルトではW-VIEWなる入力/表示モードになっています。ルートや分数表示ができるのが売りのようですが、割り算があると計算結果まで分数で表示してくれます(笑)。科学技術や工学計算で分数を使うのはまずありません。小学生もターゲットにしているのでしょうか。
ちなみに計算結果が分数で表示された時はCHAGEキーで小数に変換できますが、煩わしいのでセットアップメニューで一般的な入力/表示であるLINEモードに変更したほうが良いでしょう。

最後に

実はカシオの16進数の変換に関しては古い fx-580の時から不満がありました。最近の機種では改善されているだろうと仕事用にカシオのfx-913ESを購入したですが、見事に期待は裏切られました。
そこでシャープのEL-509Jが良さそうならば仕事用のfx-913ESの代替としてもうひとつEL-509Jを購入するつもりでしたが、前述のガッカリポイントのウェイトが大きすぎ、まだfx-913ESの方がマシなので仕事用は現状維持することにしました。